希望エリアで新築物件が見つからず、中古マンションリノベーションにたどり着いた都内在住の若いご夫婦。暮らしやすさを追求しながらも、ところどころに余白を残す。その工夫とバランス感覚が、コロナ禍の変化にも柔軟に対応する住まいを生み出しました。

こだわりたいけど、
ごちゃごちゃさせたいわけじゃない。

こだわりたいけど、ごちゃごちゃさせたいわけじゃない。

結婚して賃貸マンションで二人暮らしを始め、しばらくすると必ず出てくるお悩み。それは、「少し手狭になってきた」。今回のグッドリノベーションストーリーの主人公、元田夫妻も例にもれません。

最初は新築マンションへの引っ越しを考えていたというお二人。しかしいざ探し始めると、なかなか納得できる物件が見つかりません。新築であることを優先すると、出てくるのは臨海部などの再開発エリア。ただそういった街で自分たちが暮らすイメージがつかず、かといって「新宿より西側、都心にも近く住みやすい」と希望エリアを絞り込むと、今度は新築マンションがなかなか建たない。あれこれ情報を集めるうち、中古マンションリノベーションという選択肢があることを知ります。

「それまでは中古マンションを買ってリノベーションするという方法自体知らなかったんです。でも調べるうちに、住む場所も間取りも自分たちにとって住みやすいようにできるとわかって。新築を買うよりもメリットがあると感じました。ただ最初、リノベーションっておしゃれな人がする印象があったんですよね。僕らはもっとシンプルでいいのになって……」

こだわりたいけど、個性的でごちゃごちゃするのは理想じゃない。自分たちらしいバランス感で「こだわり」を具体化する、元田様のリノベーションストーリーが始まりました。

争奪戦を勝ち抜いて手に入れた
“抜け感”のある部屋。

いくらラクでも、暮らしやすくなければ意味がない。

中古リノベーションをすると決めたら、まずはパートナー探しです。そもそもリノベーション自体が選択肢になかった元田様。たくさんのリノベーション会社と話をするうちに、自分たちのこだわりポイントが少しずつ明確になっていったと振り返ります。

「以前は一般的なメゾネットタイプの賃貸で、壁が薄いせいか夏は暑くて冬は寒い。音も気になっていたので、断熱にこだわりたいというのが一番でした。それから、今は二人暮らしですが、将来子ども部屋が必要になっても大丈夫か、子どもが独立した後もそこを使えるか。全体としてはあまり仕切りすぎず、開放的にしたいと思いました」

機能面でのこだわりが強いことから、住環境や住まいのリスク、断熱性能も含めて見えない部分を一新し、しっかりリノベーションできるマルリノが有力候補に。その後も結局こだわりの優先順位は変わらず、パートナーとしてリノベーションを進めていくことになりました。人が決まれば、次は物件です。

「物件はエリアありきで絞っていきました。でも実は、私たちが探し始める少し前から、都内の中古マンションの在庫がどんどん減り始めて……」

そう。2019年末ごろから都内の中古不動産市場は大変な活況を見せ、あれよあれよと空前の在庫不足に。2020年の秋には、マルリノの担当者曰く「とんでもないことになっていた」ほどだったのです。元田様が物件探しを始めたのは、まさに10月のこと。今の物件を内見した日も、1日20組もの希望者が訪れていたとか。

「一度は悩んだのですが、これを逃したらここより良いものはないだろうと決心しました。“抜け感”が気に入ったんです。建物が隣接していないので風通りが良く、角部屋だから日当たりも良い。中はマルリノさんがしっかりと住みやすい空間にしてくれるだろうと思いましたし」

こうして争奪戦を勝ち抜き、運命的に手に入れた「抜けのある部屋」。ご夫妻のこだわりで、この部屋はどう生まれ変わったのでしょうか。

リノベーション before
玄関からバルコニーまで
ぐっと心地よく広がった。