積水化学マルリノのグッドリノベーションストーリー。ご夫婦,お子様・子育てファミリ―・2LDK+WTC。「家づくりで見つけた。趣味発見リノベーション」のリノベーションストーリーをお届けします。

知れば知るほど、
“クリエイティブなスイッチ”
が押されて。

ディティールの工夫とセンスが感じられる玄関

ご夫妻のこだわりが発揮されたのは、素材だけではありません。完成した青木邸は、それまでインテリアに興味がなかったなんてウソのような、ディティールの工夫とセンスが感じられます。まず玄関を入ると、目を引くのが剥き出しの配管。「インダストリアル風のダクトダッシュ。あれは絶対に譲れなかった」と、わざわざ天井を抜いて実現させました。そのテイストに合わせ、室内に続くドアはレトロ調のデザインに。スイッチプレートもメタル素材を選ぶなど、細部にまでご主人の“こうしたい”が表れた空間になっています。

「そういう細かい部分も、もうめちゃめちゃ調べましたね。そうすると、やりたくなっちゃうんです(笑)」

そう笑うご主人。なるほど、今まで家のことに興味がなかったのは、ただ家のことを考えたり調べたりする「きっかけ」がなかったからなのかもしれません。一度知ってしまえば、まるでご主人の中の“クリエイティブなスイッチ”が押されたかのように、パチパチッとアイデアがひらめき出しました。

「私が絶対タイルにしたいと言って。本当はそこに赤い金魚を泳がせたかったんですけど……モザイクタイルだから切り出すのが難しくて、今回は実現しませんでした」

そんな心残りはありながらも、着々と家が出来上がっていく様子をほぼ毎日のように見学しに来ていた二人。完成したときにまず感じたのは、感動やうれしさよりも「そうそうこれこれ、欲しかったものがちゃんとあるね」という落ち着きだったのだとか。

改革されたのは、
働き方だけではないのかも。

こだわりのリビング

リノベーションを通じて、予想外にも互いのこだわりや意外な一面を知ることになった青木様ご夫妻。リノベーションが終わった今もご主人の興味と熱は冷めることなく、なんとホームセンターで材料を揃え、棚やテレビ台を自作するほどのDIY好きに変身! 自転車を置くためにと広くとった土間は、今ではご主人のDIYスペースとしても活用されているとか。

「夫は全然そんなタイプじゃなかったので、結婚25年過ぎにして『こんな人だったの?』と(笑)。年齢的にも、この先なにか趣味を持ったほうがいいんじゃないかってずっと言っていたんです。それが今では、ここをこうしたい、こういうのが欲しいと伝えると作ってくれる。家じゅうにいくつも自作の作品があるので、あれはすごく嬉しいです」

もちろん、ご主人の意外な一面の発見に喜んだのは奥様だけではなく、ご主人自身も同じ。

「趣味がね、土日にジムで筋トレをするくらいだったんですよ。休みの日もずっと働いていて。でも今、働き方改革などの影響もあって、昔ほどは仕事してないんです。リノベーションのおかげっていうわけでもないでしょうけど、たまたまいい時にリノベーションがあって、仕事以外も家のことも考えるようになって。息子の部屋の棚を自作したら、意外と自分に向いているんじゃって発見できた。家の掃除も全然しなかったのに、今は毎日やっていますよ」

仕事の時間が減っても、何をすればいいのかわからない。そんなサラリーマンたちの声をよく耳にする昨今。でも、そんな人たちがすべきことは、案外シンプルなことなのかもしれません。「暮らしに目を向ける」「家のことを見つめ直す」。青木様がそうだったように、趣味や自分の意外な興味は、家の中にこそ落ちているのかもしれないから。そして仕事にはいつか終わりが来ても、暮らしはずっと続いていくのだから。

「今度は息子の寝室の壁も変えてもいいかな、まだ一年も経っていないけど(笑)。リノベーションは一旦終わったじゃないですか、でも、まだ自分で何かやりたいなって思うんです」

今回のリノベーションでは、たくさんの発見が。住まいを自分達らしく仕上げる余白を見つけていくことが、青木様ご主人の秘めたるクリエイティブスイッチを押すことになったのではないでしょうか?

そういえば、奥様が諦めたモザイクタイルの赤い金魚。もしかすると数年後、ご主人の手で生み出された小さな金魚が、青木邸のフローリングの隅でのびやかに泳いでいるかもしれません。

タイルの敷かれたフローリング