なんだか手狭に感じる。家事が億劫。好きなものが飾れない。17年間のマンション生活で、積もり続けた小さなストレス。「まるごと変えよう!」と決心し、空間にも動線にも無駄のないストレスフリーな住まいに生まれ変わりました。

好きなことはたくさんあるのに
なぜか楽しめない。その理由は

都内の自宅マンションに、夫婦2人と猫2匹。奥様は3年前に退職し、趣味は手芸にアクセサリー作り、ソープカービング、そしてオカリナ。これだけ聞くと、住み慣れた自宅で好きなことを楽しむ、なんて素敵な暮らしだろうと誰もがうらやむかもしれません。ところが……? 好きなものに囲まれているはずなのに、何をするにもどこか億劫。なんだか面倒。暮らし本来の楽しみを、なぜか十分に満喫できない。
 こんなお悩みを抱えていたのが、今回のグッドリノベーションストーリーの主人公、藤枝様ご夫妻。もしかしてこれは、住まいが原因かも — そんな気づきとともに、藤枝様の物語が動き出しました。

藤枝様がご自宅マンションを購入したのは17年前。生まれ育った町で親しみがあったことと、「いつも迷わず直感で決める」という奥様の決断により、東京都大田区に新築マンションを購入しました。共働きだったせいか、これまで我慢できないほどの住みにくさを感じることはなかったと言います。ところが3年前、退職を機に家にいる時間が長くなると、少しずつ、だけどはっきりと、奥様は気づき始めました。

「もしかして私、本当は我慢していたのかも?」

部屋の手狭さ、設備の使いにくさ、室内の寒さ。「まあいいか」となんとなく見過ごしてきたことが、在宅時間が長くなったことによって、いよいよ我慢できなくなってきたのです。そこで試しに、キッチンのガスコンロを交換してみることに。すると使い勝手はよく、掃除もラク。じゃあ次は換気扇を、それからトイレも、と考えていくうちに「もういっそ家ごと変えてしまおう!」と思い至ったのです。ちょうど猫を飼い始め、もっと広い場所で遊ばせてあげたいと思ったことも、リノベーションを決める要因の一つになりました。

やりたいことを書き出して、
迷うよりも、前に進む。

それまでリノベーションのことなど考えたことのなかった藤枝様。どこをどれだけ変えられるのかまったく見当がつかず、ひとまず業者さんを呼んで聞いてみようとWEBサイトを開きました。あるリフォーム総合サイトに登録すると、登録が完了した瞬間に1本の電話。それが、セキスイのマルリノでした。

「本当にすぐの電話だったのでびっくりして。他の業者さんにも依頼しましたが、セキスイさんには一番に来ていただきました。それで最初にお話を聞いた時から、もう心は決まってしまいました」

奥様の心を射止めた理由の一つは、住環境を一から見直す提案でした。きれいにするだけなら他社でもできるだろうと思っていたところ、まったく考えていなかった断熱性の話を聞いて「セキスイなら見た目だけじゃなく“住み心地”を良くしてくれそう」と直感的に思ったのです。

何事も、やると決めたら早い奥様。リノベーションにあたっての要望をざっと書き出し、セキスイの担当者に渡しました。レポート用紙2枚に、びっしりと!

「全部できるとは思っていなくて、自分の中でやりたいことを整理するために書き出してみたんです、メモ程度に。でも結果的に100%叶ったので、すごいなと思います」

おそらくその要望書があったおかげで、藤枝様の理想をプランに落とし込みやすかったのでしょう。また、マルリノでリノベーションをされたお客様宅見学にも行き、アイデアを固め、初回のプラン提案で、「では、それで!」と間取りが決定。心地よい理想のわが家に向けて、リズミカルに駆け出しました。

面積は狭くないはずなのに、
なんでこんなに狭く感じるの?

面積は狭くないはずなのに、
なんでこんなに狭く感じるの?

「やるからには、まるごとがらっと変えたい」。そんな藤枝様にとって何より幸運だったのは、ご自宅のマンション構造です。部屋の中に大きな柱やパイプスペースがないため、比較的制約が少なく、水まわりの配置も大きく変えることができました。

以前の間取りは、北側に玄関と洋室が2部屋、南側にLDKと和室が配置され、玄関からLDKへ抜けるには、水まわりを避けるために直角に曲がった廊下をくねくねと通らなくてはなりませんでした。無駄な動きが多く、光や風も通らないので玄関は暗く寒かったと言います。和室はあるものの、使うこともなく物置状態。その分リビングが窮屈でした。「二人暮らしの家なら、決して狭くはないはず。なのに、なんでこんなに狭いんだろう」と、奥様はずっと疑問だったそう。

そこで今回のリノベーションでは、思い切って間取りを一新。水まわりの位置を変え、曲がり角のあった廊下を一直線に。玄関からリビングがすとんとつながり、動線がぐっとスムーズになりました。使われていない和室はなくし、そのスペースをリビングに。「大きいテーブルを置いてすっきり過ごしたい」という奥様の願いに叶う、広々としたリビングダイニングが誕生しました。がらっと変化を持たせるために大切なのは、「思い切って無駄をなくす」ということ。空間のポテンシャルはあるのに、それが活かしきれていないと感じるのは、どこかに動きやスペースの無駄が生じている証拠。家ごとリノベーションすれば、それを根本から改善できるのです。

ちなみに、リビングが広くなって喜んだのは、2匹の猫たちも同じはず。リビングの床は猫ちゃん達がやんちゃをしてもお手入れしやすいよう、突板のフローリングを選びました。

玄関が気持ちよくなると、
誰かを家に招きたくなる。

もう一つ大きく変わったのは玄関の快適さです。リビングから明かりが入るようになり、それまでの暗い印象が一気に明るくなりました。実は玄関の改善は、奥様のご要望リストでもトップに挙げられていた課題。

「暗いし狭いし、収納もない。家に帰ってきて、玄関に主人の荷物やコートが置かれていると、ああうんざり! って感じで(笑)」

リノベーション後の玄関は、そんな生活感とはまるで無縁。間取りプランを見て一目で気に入ったという、カーブ状にデザインされた玄関框。ゆとりの印象を与え、入って右手のニッチ空間に設えたタイルと飾り棚が玄関に風格を与えます。廊下の左手には収納を設け、ご主人の荷物はそこに収納されることに。おもてなしの雰囲気に満ちた、奥様も大満足の玄関です。こんな玄関なら、思わず誰かに自慢したくなるのではないでしょうか?

「たしかに、これまでは家に人を呼ぶのは嫌だなって思っていました。片づけるのも面倒でしたし……。たけど今は、うちに来ない? って自分から誘えるようになりましたね。玄関に入るたびなんだかうれしくて、高価なフレグランスでも置こうかなという気分になります」

自分が家に帰るとき。お客様を家にお招きするとき。玄関を開けたその瞬間の印象は、そのあとの時間をどんな気分で過ごすかに大きく影響するもの。もう「うんざり」なんて思わなくてもいい、お気に入りの玄関が完成しました。

美味しいものをお取り寄せして
家で食べよう。

美味しいものをお取り寄せして
家で食べよう。

そういえば計画当初、藤枝様の心を動かした「断熱」については、どのような効果があったのでしょうか。もともとカビや結露の悩みはあまりなかったと言いますが、2018年の4月にリノベーションが完了して、この年は歴史的な酷暑。気になる冷房効果は?

「以前とは全然違いましたね。もちろんエアコンは使いましたが、ずっとつけっぱなしということはなく、部屋が冷えたらすぐに切ってしまっても大丈夫でした。寒さも同じで、秋の終わりごろなら30分ほどエアコンをつければそれで夜まで暖かいんです」

部屋はもちろん、これまでは脱衣所の寒さが特につらかったそう。将来はヒートショックも不安に感じていましたが、今は健康のことを考えてもリノベーションして良かったと実感。そしてこの心地よさがもたらした、さらに大きな暮らしの変化といえば……

「外食が減ったかもしれない(笑)。今までは姉と一緒に外食することも多かったのですが、家が心地よいから、お取り寄せでもして家で食べようかと考えるようになりました。キッチンも使いやすくなり、ますますお料理が楽しくなりましたし、とにかく家が大好きになって、ずっと家にいますね。どこも行かなくても全然苦にならない。何日でも家に籠れちゃうかも(笑)」

早くリノベーションした分だけ、
快適な時間が増えるから。

奥様主導で進められた藤枝様のリノベーション。今、リノベーションを振り返りながら、奥様は「忙しい主婦ほど、リノベーションをするべき!」と力説します。それは、家事の手間が激減したから。

設備が新しくなれば、当然お手入れの手間は少なくて済みます。ちょっとやればきれいになる。この「ちょっとで済む」が、気持ちの上ではとても重要なのです。今までは、「掃除しなきゃ、でも面倒……明日、いや、明後日」とどんどん先延ばしにして気が重たくなっていたことも、今ならさっと終わらせられる。すると、心にも時間にもゆとりができます。
 暮らしに合わせた適材適所の収納に変えれば、「本を取りに行くのが面倒。手芸をしたいけど向こうの部屋まで道具を取りに行くのが億劫」という問題も解決します。物を探して家の中をうろうろ歩き回る時間が多かったという奥様も、「今は何でも欲しいと思ったらさっと手に取れるので、そういう面で楽しみが増えたと思いますね」と大満足です。

「やらなければならないこと」の時間を減らし、その分「やりたいこと」の時間を増やす。それが、今回奥様がもっとも感じたリノベーションの効果かもしれません。たくさんの趣味をお持ちだった奥様。「億劫だ、面倒だ」とあきらめてきた暮らしの楽しみを、今、見事に取り戻しているようにも見えます。

「実は私、腰の手術をして半年ほどは体が思うように動かせず、家事も本当に大変だったんです。これから年齢を重ねて体も衰えていきますし、長くラクに住めるような家にしたいと思っていたんです。悩んでいる時間があるなら、絶対に一日でも早くやったほうがいい。だってその分、快適に毎日を楽しめる時間が増やせるのですから」

マンションだから仕方ない。
そんな我慢は、もういらない。

これまで以上に、家や暮らしを楽しめるわが家。それを物語るものたちが、藤枝邸には溢れています。手作りしたプラントハンガー、お気に入りの食器や絵皿、玄関のウィンドチャイム、寝室に飾られたキース・へリングのアート……。だけどそれらは、リノベーション後に新しく買ったもの、というわけではありません。好きで買ったり作ったりしたのに、「飾るところがなかったり、お掃除が大変になるかと思って」、収納で眠ったままになっていたものたちなのです。ずっと飾るのをあきらめていた、藤枝夫妻の「好き」の数々。

「しまい込んでいたものをやっと飾れて、生活が楽しくなった実感はあります。以前は洋服を買うのも好きでしたが、今はそれよりも家の中のことに手をかけたいなと思うようになったんです。たぶんそれは夫も同じ。夫はリノベーションには反対もせず口も出さず、好きにしていいよというスタンスでしたが、今は『すごい、素晴らしい』と喜んでいます(笑)」

マンションだから仕方ない。これくらいなら我慢しよう。これまで奥様が“小さなストレス”だと済ませてきた一つひとつは、少しずつ積もって“大きなストレス”になっていました。藤枝様が素晴らしかったのは、まずそのことに気づけたこと。そして、それ以上の我慢はやめようとすぐに決心できたこと。心地よさをあきらめないのは、つまり、これから続いていく未来をあきらめないということです。我慢をやめた藤枝邸には、きっとこれからも、ご夫妻の「好き」が溢れていくことでしょう。