築25年以上が経過し、住まいの老朽化も限界に。母と娘二人、女性ならではの持ち物に合わせた収納重視のリノベーションで、暮らしがストレスフリーになりました。

築25年、修繕はほぼゼロ。
暮らしの変化に
住まいが追いつかず……

「これじゃ、お弁当が作れない……」

築25年のマンションに二人のお嬢様と暮らす新田様がご自宅のリノベーションを決意されたのは、ガスコンロの故障がきっかけでした。どんな住居でも、25年も経てば設備等に不具合が出てくるもの。新田邸も以前から、住まいの老朽化に悩まされてきました。大きなリノベーションや修繕をしたことはなく、過去にも給湯器を一度交換したきり。ガスコンロは3口あったうちの2つがすでに故障し、残る一つも使えなくなっていよいよ生活に支障が。重たい腰を上げ、本格的な住まい改造に踏み切ることになりました。

「もともとなんとかしなきゃとは思っていましたが、ガスコンロが壊れてこれは本当に動かなきゃ、と。壁が汚れたり剥がれたりするくらいならどうにでも住めますけど……。冷蔵庫も壊れたら買い替えればいいけど、ガスコンロだけ替えるくらいなら全部やりたいな、と」

直接的なきっかけとなったのはガスコンロの故障でしたが、新田邸が抱えていた問題は老朽化の他にももう一つありました。収納問題です。

「もともと和室を納戸代わりに使っていたのですが、子どもが成長するにつれてライフスタイルが変わって、モノが増えたり机が必要になったり。そうするともう、とにかく空いているところに詰め込んで、といった感じで……」

クローゼットの中になぜか食料品ストックが入っていたり、大型の調理道具がキッチンから離れた和室に置かれていたり。モノ自体がそこまで多いわけではなくても、新田邸の収納状況は適材適所……とはかけ離れた状態だったのかもしれません。25年間暮らしているうちに、暮らしの変化に住まいが完全に追いつけなくなっていたのです。

セキスイがリノベーション?
出会いは半信半疑から。

とはいえ、老朽化する自宅に対して、新田様も何もしていなかったわけではありません。実はガスコンロが壊れる少し前から、住まいを何とかしようと新築マンションの購入などを検討していました。ところが条件がなかなか合わず、ご両親のアドバイスもあって今の住まいを活かしたリノベーションが有力手段に。

肝心の依頼先として最初に挙がったのは、広告でもよく目にする大手メーカー数社。セキスイのマルリノについてはまったく知らず、最初に存在を知った時も「えー、セキスイさんもリノベーションをやるんだ」と、正直あまり乗り気ではなかったそう。ところがWEBサイトを見てみると、特に心配だと思ったり嫌だと感じたりする点がなく、「じゃあちょっと連絡してみようかな」という気持ちに。依頼先候補の一つにリスト入りしました。

「マルリノに決めた理由ですか? 印象に残ったんです、最初から。こちらから1000万円の予算を提示すると、どの会社さんも大体1200万円くらいの見積もりを持ってきて、今振り返ると中身も似たり寄ったりでした。でもマルリノさんは、自分では思いつかないようなプランをいくつも持って来てくれて。実際に図面を描いてくれたのも分かりやすかったです。あと杉の床材サンプルも一緒に。それで印象に残りましたね」

提案されたプランで新田様が特にユニークだと感じたのは、玄関スペースに設けられた広い収納スペース。冬の時期のお出かけでは、厚手のコートがすっきりと収納することができます。実は以前にそうしたプランの住まいを見たことがあり、それで印象に残ったと言います。このアイデアはそのまま採用され、リノベーション後はお出かけがとてもスムーズになりました。

また、サンプルで気になった杉の床材は、実際に採用しているご自宅に見学へ。周囲にリノベーションを経験している知り合いがいなかった新田様にとって、実際のリノベーション後のお住まいを体感できる貴重な機会となりました。

「無垢材なんて自分でちゃんとお手入れできるか心配でしたが、色々と調べていくうちに意外といいかもなあ、と思い始めました。ただ節があるところは使いたくなかったのでそれをマルリノさんに伝えたら、『節のない部分の床材、もう押さえました』って(笑)」

そうした対応のスピーディーさも、もしかしたら新田様のリノベーションを順調に進める要因となっていたのかもしれません。

女性が暮らす家には、
女性ならではの収納問題が。

女性が暮らす家には、
女性ならではの収納問題が。

さて、それでは新田様の住まいは実際にどう生まれかわったのでしょう。故障したガスコンロはキッチンを交換すれば解決ですが、最大の難関はもうひとつの問題、「収納」です。リノベーションにあたってのご要望を伺うと、なるほど、『女性3人が暮らす家ならではの問題』がありました。

まず、パン作りがご趣味の新田様。パン教室に通われている新田様のご自宅には、パン焼き器や発酵器、それに箱単位で買っている材料がどっさり! 当然、一般的なマンションのキッチンでは置き場がなく、道具を和室にしまうなど不便を強いられていました。そこで、キッチン脇に大容量のパントリーを設けることに。レイアウトにも配慮して、キッチンカウンターからパントリー、電子レンジ、冷蔵庫をぐるりと半円を描くように配置。リノベーション後は、無駄な動きがなくなったと言います。

いかにも女性ならではと感じる問題は、洗面所のシャンプー問題。母と娘二人、それぞれの髪質に合わせて3種類のシャンプーとストックが常備されていたというから、収納に困るのも納得。でもきっと、女性が多いご家庭の方なら「うんうん、あるある!」と大きく頷けるのではないでしょうか。この問題は、洗面台の横に奥行きのある納戸を設置することで空間がすっきり。ちなみにそこには、「つい色々と試したくなっちゃう」柔軟剤もぎっしり。納戸の扉を開けると、遊びに来たお友達が「わぁ、すごい!」と驚かれる量だそうです。

そしてもう一つ、これもお嬢様のいらっしゃるお宅では共通の悩みであろう問題が、ひな人形です。二人のお嬢様それぞれにひな人形と市松人形がある新田邸では、その収納場所が欠かせません。リノベーション後の住まいでは、それらの人形たちは取り出しやすいようにLDKの畳コーナーのすぐ横にある廊下の収納スペースに大切にしまわれることになりました。ちなみにその収納には、寝具も一緒に。必要に応じて寝具を取り出し、すぐに畳の上でくつろげるようになっています。

自分に合った収納を作れば、
その分空間を有効に使える。

自分たちの持ち物と暮らし方にとって、ベストな収納計画を考える。これは、新田様が新しい住まいに暮らし始めてもっとも感じた『リノベーションのメリット』だと言います。

「最初は新築マンションの購入も考えましたけど、結局新築って、どれだけ収納量があっても万能とは言えないんですよね。私が検討していた新築マンションの広さは90㎡で、ここはそれより狭い70㎡。でも収納計画が自分の持ち物に合っていないと、あとから棚やラックを買い足して、すぐに20㎡がごちゃごちゃと埋まってしまう。見た目も統一感がなくデコボコになってしまって……それだけは避けたかったですね。自分達にあった収納を作れば、広さは補えますから」

聞けば、ご友人が最近新築住宅を建てたものの、収納が足りず色々なところに収納棚を探しに行っているとか。新田邸に遊びに来ると、「これだけの収納があっていいね」とほめてくださるそうです。

「でもこの収納がみんなの暮らし方に合っているかと言うと、またそれは違うこと。リノベーションは、自分達が今どんなものを持っているか、今後何が必要か、そうしたことを考えながら収納を作っていくことができます。うちは子どもたちがいずれ家を出ると思うので、そうしたことにも配慮しながら収納計画を立てられます。私一人では知識が足りないけれど、マルリノさんからアドバイスしてもらえたことも良かったですね」

現在、お嬢様は大学受験を控えています。受験に向けた塾通いで、ほとんど自宅にいらっしゃらないそう。これから新生活が始まれば、これまでとは持ち物もがらりと変わることでしょう。そうしたライフスタイルの変化に合わせて収納を考えていくのも、リノベーション計画の大きな楽しみと言えます。

扉が一つあるか、ないか。
温度やストレスが全然違う。

扉が一つあるか、ないか。
温度やストレスが全然違う。

ところで新田邸の玄関には、玄関スペースと居住スペースの間に扉が設けられています。何気ない一枚の引き戸ですが、その効果は絶大。新田様も「すっごく気に入っている!」と大絶賛です。何がそんなにすごいのでしょう?

まず、断熱効果。快適な室内の空気が外部に漏れるのを防ぐ役目を担っているので、ここさえ閉めておけば室内は真冬でも暖かさをキープすることができます。リノベーションによって家全体の断熱性も高まっているのでなおさら冷暖房効率が良く、普段室内の扉は基本的に開けっ放しにしていることが多いとか。西側に二部屋設けられている子ども部屋は一部屋にしかエアコンを設置していませんが、西側の角部屋で室温が高くなりがちな条件にもかかわらず問題はなかったそう。ご入居されたのが8月の終わりと夏の盛りを過ぎていたとはいえ、東京の夏を少ないエアコンで乗り切れたのはまさに断熱性の効果です。

また、玄関と室内を区切る引き戸がなかった以前の間取りでは、冷暖房効率に配慮して家中の扉をこまめに開け閉めしていたと言います。それが当たり前の暮らしでしたが……

「以前は少しでもエアコンのスイッチを入れると、冷気や暖気を逃がさないために扉という扉はすぐに閉めていました。その為、洗面やトイレに行くときには、今いるお部屋の扉を開け閉めして行くというのが当たり前でした。でも今の家では、閉めていても開けっ放しでも、そんなに室温差を感じないんです。だから開けたままにすることが多くなりました。扉をいちいち開け閉めしないで、生活範囲内を移動できることがすごい!」

扉を開け、扉を閉める。あまりに日常的すぎて普段は意識すらしない行為かもしれませんが、確かにその手間がなくなると、室内での行動は一気にスムーズなものになります。玄関スペースと住居スペースとの間に一つ扉を設けたことで、住居スペースにある扉は開けっ放しにできるように。暮らしのストレスがまた一つ解消されたというわけです。

「最近は一部屋分はありそうなほど玄関を広く取った家もあるので、それと比べると玄関に入ってすぐ引き戸があると狭く感じるんじゃないかと心配もありましたが、結果的に自分では全く狭いと感じません」

断熱性アップや扉の開け閉めの手間がなくなったことに加え、訪問客が玄関にいても室内への視線をシャットアウトする「目隠し」としての効果もあります。新田様が「この家の一番のヒット(笑)」と呼ぶのも頷ける、機能性に富んだ引き戸になりました。

家に居ることが
まったく苦痛じゃない。

設備も、間取りも、収納も内装も、すべてが新しく生まれ変わった新田邸。「玄関を開けて入った瞬間から快適」とおっしゃる一方、暮らしの変化については「生き方は変わっていません(笑)」と。ところが、時間の過ごし方などを尋ねられると、思い出したかのようにこんな答えが。

「それはもう! 家にいることが全く苦痛じゃない。ここで自分の好きなことをやったりすることが、もう全然。前は家が古いので嫌だなと思うことも……」

特別な楽しみがなくても、自分の家に居ることがただただ幸せ。それは、パッと気付かないほどに当たり前のことでも、ものすごく大きく、かつ重要な変化なのではないでしょうか。

「以前は家の中がごちゃごちゃしていたり、それこそ壁紙が剥がれたりしていて……25年以上たった家なので想像がつくと思いますが、もう全部が老朽化していますよね。見えないところにもカビや汚れがありそうでしたし、実際に同じマンションに住む方から、カーペットの裏にカビが発生してしまったという話を聞いて。それからは絶対に家の見えない裏側は見たくない! と思っていて(笑)。だからそういう意味では、今の家は本当に快適です」

お嬢様は受験真っ只中なので、まだ新しいお住まいの居心地を十分に感じられていないかもしれません。「勉強ができないから」と所望された個室には満足されているそうですが、塾から帰るのは連日遅く帰宅されます。生まれ変わった部屋のカーテンやベッドを選ぶ時間さえ、十分にはありませんでした。

「でも勉強も結局、ほとんどリビングでやっていますね。以前は3人一緒に和室で寝ていたので、下の娘は自室があるのにいまだに一緒に寝たがります。自室で寝ていると朝起こしてくれないからって言うんですよ。仲良しですか? でも女ばかりなので喧嘩もすごいですよ(笑)」

今は受験勉強で夕食も一緒に取れないほどの日々ですが、これから春を迎えて新生活が始まると、ご一家のライフスタイルもまた大きく変わっていくことでしょう。そうした変化も、リノベーションしたばかりのまっさらなこの住まいなら、柔軟に受け止めてくれそうな予感がします。そうそう、リノベーションで中断していた趣味のパン作りも、また再開しなくては。

「この前、ケーキとタルトは作ったんです。パンは材料を揃え直さないといけないので、この家ではまだ。でも、ここで好きなことをやることがもう全く苦痛ではないので、早くやりたいですね」