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積水化学マルリノのグッドリノベーションストーリー。ご夫婦・セカンドライフ・1LDK。「大人時間が始まる。60代の大胆リノベーション」のリノベーションストーリーをお届けします。

カゲもカタチもないほどに。

住まいの限界という一大ピンチを迎えたかのように見えたが、斉木さんはこれを千載一遇のチャンスと捉えた。60代という年齢も前向きに受けとめ、「これからの人生を安心・快適に、そして大人の時間を楽しみ遊びながら暮らせる家にしよう!」と考えた。

趣味や遊びは生きていく上での“力の源泉”だった。「僕はずっと、仕事のオンとオフはきっちりと別けてきた」「今の日常に妥協することなく、徹底的にやらなければダメだ」と。

斉木さんは、“徹底的に今の暮らしを変える”ことを決断したのです。

「せっかくリノベーションをして、新しいセカンドライフを手に入れるのだから、中途半端なことはやめようと思いました。大胆に、以前の住まいの名残をカゲもカタチもないくらい変えようと思った」。しかし、リノベーション会社選びの過程で斉木さんが目にした各社の提案内容は、いずれも納得のゆくものではなかった。大胆さとは無縁で、何かが物足りなかった。

「いくつものリノベーション現場を見せて貰ったけど、見た目はもちろんキレイなのですよ。でも、どれも以前の間取りを活かしたままで、キッチンや風呂や壁や床がきれいになっただけ。何か、ガラリと生活が変わるようなインパクトのある提案に出会えなかった。リノベーションをするとは、こういったものなのだろうか?と思ったね」

今の暮らしを変える”ことを決断

後悔しないリノベーションに
心が決まった。

プランナーのリノベーション提案

マルリノは、業者選びの過程で斉木さんの目にとまった会社のひとつだった。インターネットでリノベーション事例を見て「雰囲気がいいな」「自分たちの好みに近いな」というのが第一印象だった。「それでね、自宅の平面図持ってリノベーションの相談をしに行ってね。で、こちらの要望と予算感を伝えたところ、“その予算ではできませんよ!”と容赦なく言われた(笑)」

「でも、断られたというのとはすこし違う。間取りを一から見直して、断熱もしっかりやって、見た目だけでなく本当の心地よさを求めるなら、しっかりとしたフルリノベーションをやるべきだ!ということを言われたわけです。耳当たりの良い営業トークでなく、本当に私たちの事を想ってくれていると思った」「その時に、ぼくはもう、マルリノにお願いしようと決めた。中途半端にやるのはだめ、と自分で言っていたわけだし、後悔しないリノベーションをやるチャンスだと思った」

現地調査や斉木さんご夫婦との相談を経て間もなく、プランナーの最初の提案がもたらされる。

「そのプランを見てね、あまりの大胆さにびっくりした。びっくりしながら、“これだ”と閃くものがありました。プランの大枠はその場で即決でしたね」

マルリノの提案はこうだ。まず全ての壁を取り除き、コンクリートむき出しの状態にする。これをスケルトン(骨組み)の状態にするという。築30年を迎えたマンションの場合、“住まいの総点検”ができる状態にしなければならない。人でも同じことがいえる。ある年齢を超えると、定期的に身体の検査を欠かさないことと同じことである。一旦スケルトンの状態で、“住まいの総点検”をおこなうメリットは、まだある。新築当時は最先端の建築技術も、今では“陳腐化”していることも多く、最新の建築技術で住環境を改善できるからだ。そして、最大のメリットは、“新築当時の間取り”から“これからの暮らしにあった間取り”へ大幅な変更が可能になることである。斉木さんの場合、現在の3LDKから、1LDKへ大幅に間取りを変更するプランだ。スケルトンリノベーションとは、新築当時の状態に戻す、所謂”リフォーム”ではなく、これからの生活と暮らしにあった空間を創りあげる“住まいを刷新”する建築手法なのだ。

バルコニーに面した2室はひとつにまとめ、外からの光が降りそそぐ、明るい大空間のリビングダイニングに創り変える。夫婦のゆとりある寝室は、以前は子ども部屋だった。子ども達が泊まる時には、寝室を2室に間仕切れるように、可動式引き戸を設えた。廊下には、大容量の可動棚を設えた機能的な収納がある。かつてキッチンがあったスペースや、“ギャラリー”のような広い玄関ホールも、斉木さんをあっと驚かせた。外からの風を遮る壁がないため、天気のいい日には気持ちの良い風が、住まい中を吹きわたる。

「3LDKをまさか1LDKにすると思わなかった」

「でも、そこから新しい生活のイメージがぐんぐん湧いてきて、夢がどんどん広がっていった」

想像以上だった、住環境の変化。

斉木さんがもうひとつこだわったのが、断熱だ。マルリノが断熱の高い施工技術を持っていることはリサーチ済みだった。信頼して任せられると思った。にもかかわらず斉木さんは、リノベーションの過程でひとつミスといってもよい“フライング”をしてしまう。

寝室に2台のエアコンを取り付けたのだったが・・・

「これはホントに失敗だった。プランナーさんの言う通り、必要がなかった。」ご主人はひと冬を過ごして、脱帽した。リノベーションした住まいは冬の間、リビングダイニングはもちろん、北側の寝室も“ほとんどエアコンをつけない”ままで過ごせた。

「これにはもうびっくりですね。寝室は、結局この冬は一度もエアコンを入れなかった。ふとんをかぶって寝ていると暑いくらい。家全体が、身体にやさしいのがよくわかる」(ご主人)

素朴さとくつろぎ感のある
奥様のデザインセレクト。

室内の大改造と断熱には徹底したこだわりを見せた斉木さんだが、インテリアのデザインはすべて奥様に任せたという。

「男が口をはさんでもロクなことがないからね」とご主人が自嘲気味に笑えば、隣で奥様が「私のやりたいことを思い切りやらせてもらいました」と満足そうに微笑む。

室内は全体に明るく清潔感のある白を基調にし、そこに木の質感を活かしたキッチンや自然素材の無垢床、爽やかな淡いブルーやグリーンのインテリアを組み合わせたコーディネートは、おしゃれでしかも心地よい。明るいブルーのペイントドアも印象的だ。素朴さとくつろぎ感が絶妙にマッチした、大人が楽しめる「可愛い空間」になっている。

「こだわったのは、キッチンと洗面化粧台。特にタイルの色は相当悩んだかな。もともとアンティーク調が好きで、雑誌とかで見た素敵なインテリアをプランナーさんに見てもらったり、そこからまた“こんなのはいかがですか”って提案をもらったり。ブルーのペイントドアは、私たちふたりともすごく気に入ってしまって。・・・実は間口のサイズとドアのサイズが合わなくてどうしようかってなったんだけど、結局特注にして無理矢理入れてもらいました」(奥様)

こうして、斉木さんご夫婦の“後悔しないリノベーション”が完成した。

セレクトしたインテリア
二人の約束だった写真を飾れる家。